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経済指標の基礎知識
XMTrading Labo(XMラボ)では、金融市場に影響を与える重要な経済指標の基礎知識を分かりやすくまとめております。雇用統計や政策金利、消費者物価指数などの指標は、各国の経済動向を把握するために多くの投資家が注視しています。これらの知識を身に着けて取引に活かしましょう。
米ISMは、アメリカ経済の景況感を示す代表的な経済指標の一つで、為替市場でも注目度の高い指標です。結果が市場予想と大きく乖離した場合には、ドル円をはじめとするドル関連通貨を中心に、短時間で大きな値動きが発生することがあります。
米ISMが示すのは、企業の購買担当者が感じている「現場の景況感」です。そのため、他の経済指標と比べて速報性が高く、市場参加者がアメリカ経済の先行きを判断する材料として重視されています。一方で、発表前後は相場が乱高下しやすく、数値の受け止め方によって値動きが大きく変わる点には注意が必要です。
本記事では、米ISMの基礎知識やPMIとの違い、数値の見方を整理したうえで、為替相場にどのような影響を与えやすいのかを解説します。あわせて、米ISMを相場分析に取り入れる際に意識しておきたいポイントや、発表前後の注意点についても紹介します。
最初に米ISMの基礎的な知識について解説します。経済指標としての米ISMの特徴を理解することで、為替相場に与える影響や、FXトレードにおける具体的な活用法が把握できます。
米ISMが為替相場に及ぼす影響は大きいため、ファンダメンタルズ分析を用いてトレードする時の重要指標として、利用しているトレーダーは非常に多いです。米ISMについての知識を深め、ご自身のトレード戦略に役立ててください。
米ISM(Institute for Supply Management)とは、全米供給管理協会が、アメリカにある特定の企業の購買担当者にアンケートを実施し、その調査結果を数値化した経済指標です。そのため、「ISM」という名称の経済指標を出しているのはアメリカだけで、日本やヨーロッパには同じ名前の指標はありません。
米ISMの数値を出すためのアンケートとは、全部で10項目の質問に対して「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」の三者択一で回答するものです。
米ISMは、アメリカの企業に対して行われたアンケート結果を指数化した指標で、景気が「拡大しているのか」「縮小しているのか」を判断する材料として使われます。この指標では、50がひとつの分岐点として扱われ、数値の上下によって企業の景況感を読み取ることができます。
具体的には、数値が50を上回れば景況感は拡大(景気が上向き)、50を下回れば景況感は縮小(景気が後退気味)と解釈されます。
ISMが50を上回った場合
企業の景況感が改善し、経済が拡大方向にあると判断されやすい局面です。
ISMが50を下回った場合
企業の活動が弱まり、経済に慎重な見方が強まりやすい局面です。
米ISMの結果が50を上回り、景気が良いと判断される局面では、企業活動の拡大や需要の強さが意識され、物価上昇(インフレ)圧力が高まりやすくなります。こうした環境では、将来的な利上げが意識されることがあります。
一方、50を下回って景気が弱いと見られる局面では、企業活動が慎重になり需要が落ち込みやすく、景気の下押し圧力が意識されます。こうした状況では、景気を下支えする方向で利下げ観測が強まりやすくなります。
米ISMは「ISM製造業景気指数」と「ISMサービス業景気指数(非製造業景気指数)」の2種類があります。どちらも全米供給管理協会がアンケートを行い、集計結果を数値化して発表している経済指数ですが、いくつか相違点があります。具体的な違いを以下にまとめました。
ISM製造業景気指数とは、300社以上の製造業の購買担当者にアンケート調査を実施した経済指標です。ISM製造業景気指数の算出は、以下の9項目を前月と比べて「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」で回答したアンケート内容を基に導き出されます。
また、このうち以下の5項目を使って景気動向指数(DI)を算出し、0~100%で数値化します。
発表が毎月第一営業日と早く、月初に景気動向を把握できることも、ISM製造業景気指数が注目される理由の1つです。
ISMサービス業景気指数とは、アメリカにある300社以上のサービス業に対してアンケートを実施し、その結果を数値化した経済指標です。ISM製造業景気指数との違いは、アンケート対象がサービス業で、製造業が含まれていない点です。そのため以前までは「ISM非製造業景気指数」と呼ばれていました。
ISMには「製造業」と「サービス業」の2種類があり、いくつかの点で特徴が異なります。主要な違いを簡単にまとめると、次のとおりです。
ISMの2種類の比較(製造業ISM/サービス業ISM)
| 項目 | ISM製造業景気指数 | ISMサービス業景気指数 |
|---|---|---|
| 調査対象 | 製造業の購買担当者 | サービス業の購買担当者 |
| GDP比率 | 約2割 | 約7割 |
| 発表日 | 毎月第1営業日 | 毎月第3営業日 |
| 調査対象 | |
|---|---|
| ISM製造業 景気指数 |
製造業の購買担当者 |
| ISMサービス業 景気指数 |
サービス業の購買担当者 |
| GDP比率 | |
|---|---|
| ISM製造業 景気指数 |
約2割 |
| ISMサービス業 景気指数 |
約7割 |
| 発表日 | |
| ISM製造業 景気指数 |
毎月第1営業日 |
| ISMサービス業 景気指数 |
毎月第3営業日 |
具体的にISMサービス業景気指数では、以下の10項目を前月と比べて「良くなっている」「同じ」「悪くなっている」で回答して指標が算出されています。
さらに、このうち以下の4項目を使って景気動向指数(DI)を算出し、0~100%で数値化しています。
ISM製造業景気指数と同様に注目度の高い経済指標ですが、重要性という点ではISMサービス業景況指数をより重視する投資家も少なくありません。その理由は、アメリカのGDPの約7割がサービス業を占めているため、サービス業の景況感を示すISMサービス業景気指数は、先行指標として活用できるからです。
発表は毎月第3営業日で、当月分のデータを翌月に発表します。他の経済指標に比べて集計から発表までが速いため、速報性が高い経済指標としてFXトレードに活用しているトレーダーも少なくありません。
アメリカには、ISMと並んで注目される指標にPMIがあります。2つの違いを押さえておくと、米ISMが示す内容をより理解しやすくなります。ここからは、それぞれの関係性を整理しながら見ていきましょう。
PMI(Purchasing Manager's Index)とは「購買担当者景気指数」のことで、企業の購買担当者から、現在の景況感をアンケートで集計して数値化した経済指標です。アメリカ以外の国や地域でも統計・発表している経済指標で、アンケート項目など細かい違いはあるものの、経済指標としての特徴は同じです。
PMIは国や地域によって調査機関が異なります。アメリカでは、複数の調査会社が景況感を調査・数値化しておりPMIとして発表しています。米ISMは、数あるアメリカのPMIの一種であり、全米供給管理協会が発表している景況感指数です。
アメリカでは、ISM以外の調査機関もPMIとして発表しています。注目度が高い米PMIは製造業PMIとシカゴPMIです。各PMIの特徴を以下にまとめました。
製造業PMIとは、S&Pグローバル社が製造業の購買担当者にアンケートを実施して数値化した経済指標です。ISM製造業景気指数との最大の違いは、アンケートを実施している会社です。
アメリカの製造業PMIを集計・公開しているS&Pグローバル社とは民間の格付け会社で、企業や政府などが発行している債券(国債)などの格付けを行っています。製造業PMIは、S&Pグローバル社の「PMI発表事業」が統計・公開している経済指標で、アメリカだけでなくユーロ圏や日本の製造業PMIも統計をとっています。
製造業PMIは米ISM製造業景気指数は、実施している会社が異なるため、同じ製造業の景況感を示す経済指標でも、米ISMと指数が異なることも珍しくありません。
製造業PMIは米ISM製造業景気指数と同様に、当月に取った統計を翌月の第一営業日に発表するほど速報性が高いです。
シカゴPMIとはシカゴ購買部協会景気指数のことで、シカゴ地区にある企業の購買担当者にアンケートを実施して数値化した経済指標です。指標の意味はISMと同じで数値が50以上だと景気の拡大、数値が50以下だと景気の後退を示唆します。
ISMとの違いは、アンケート対象の範囲です。シカゴPMIは、シカゴ地区に限定した景況感指数です。シカゴ地区は、自動車メーカーなど製造業が盛んな地域のため、アメリカ経済の先行指標として用いられることがあります。過去には調査対象が類似しているISM製造業景気指数の予兆として注目されていました。
アメリカでは、景況感を示す経済指標としてPMIとISMの2つがあります。どちらも数値化している情報は同じですが、為替相場ではPMIよりもISMを経済指標として重要視しています。
為替市場がISMを重要視している理由の1つが経済指標を発表している組織です。S&Pグローバルは、PMIをはじめさまざまな金融データを分析・発表している民間企業です。一方でISMを発表している全米供給管理協会は、1915年に設立した職業組織であり、アメリカでもっとも権威がある非営利団体です。会員は全米に5,000人以上いて、購買に関する職業の人達から厚い信頼を寄せています。
また、アンケートを実施している対象の違いも、PMIよりもISMが注目されている要因になっています。アメリカのPMIは、主に製造業の景況感を示す数値に対して、ISMは製造業だけでなくサービス業(非製造業)の景況感も示しています。指標の発行元としての信頼性が高いことから、アメリカの景況感を示す経済指標はPMIよりもISMが注目されています。
アメリカのGDPの約7割は個人消費のため、サービス業の景況感はアメリカ経済の将来を分析する経済指標として重要です。一方製造業はGDPの約2割ほどに過ぎません。そのため、製造業だけでなくGDPの大半を占めるサービス業の動向も反映する米ISMが、より重要な指標として注目されています。
米ISMは、為替相場に影響を与えやすい代表的な経済指標の1つで、結果が発表されるとドル関連の通貨ペアを中心に値動きが活発化しやすい傾向があります。ここでは、米ISM発表時のドル円(USDJPY)の値動きに注目し、指標発表前後の動きを整理します。なお、米ISMは製造業景気指数とサービス業景気指数で発表日が異なるため、それぞれの発表タイミングごとに確認します。
まずは、ISM製造業景気指数のデータを見ていきましょう。以下は、ISM製造業景気指数の過去の予想値と結果に加え、発表当日におけるドル円の1日の変動幅を整理したものです。指標結果と相場の反応をあわせて確認しながら、ISM発表時の値動きの傾向を比較してみましょう。
ISM製造業景気指数の過去結果とドル円の変動
| 発表日 | 予想値 | 結果 | 1日の変動幅(pips) |
|---|---|---|---|
| 2024/10/1 | 47.6 | 47.2 | 158 |
| 2024/11/1 | 47.6 | 46.5 | 133 |
| 2024/12/2 | 47.7 | 48.4 | 169 |
| 2025/1/3 | 48.2 | 49.3 | 69 |
|---|---|---|---|
| 2025/2/3 | 49.3 | 50.9 | 188 |
| 2025/3/3 | 50.6 | 50.3 | 224 |
| 2025/4/1 | 49.5 | 49 | 119 |
| 2025/5/1 | 48 | 48.7 | 287 |
| 2025/6/2 | 49.3 | 48.5 | 160 |
| 2025/7/1 | 48.8 | 49 | 143 |
| 2025/8/1 | 49.5 | 48 | 364 |
| 2025/9/2 | 49 | 48.7 | 191 |
| 2024/10/1 | |
|---|---|
| 予想値 | 47.6 |
| 結果 | 47.2 |
| 1日の変動幅(pips) | 158 |
| 2024/11/1 | |
|---|---|
| 予想値 | 47.6 |
| 結果 | 46.5 |
| 1日の変動幅(pips) | 133 |
| 2024/12/2 | |
| 予想値 | 47.7 |
| 結果 | 48.4 |
| 1日の変動幅(pips) | 169 |
| 2025/1/3 | |
| 予想値 | 48.2 |
| 結果 | 49.3 |
| 1日の変動幅(pips) | 69 |
| 2025/2/3 | |
| 予想値 | 49.3 |
| 結果 | 50.9 |
| 1日の変動幅(pips) | 188 |
| 2025/3/3 | |
| 予想値 | 50.6 |
| 結果 | 50.3 |
| 1日の変動幅(pips) | 224 |
| 2025/4/1 | |
| 予想値 | 49.5 |
| 結果 | 49 |
| 1日の変動幅(pips) | 119 |
| 2025/5/1 | |
| 予想値 | 48 |
| 結果 | 48.7 |
| 1日の変動幅(pips) | 287 |
| 2025/6/2 | |
| 予想値 | 49.3 |
| 結果 | 48.5 |
| 1日の変動幅(pips) | 160 |
| 2025/7/1 | |
| 予想値 | 48.8 |
| 結果 | 49 |
| 1日の変動幅(pips) | 143 |
| 2025/8/1 | |
| 予想値 | 49.5 |
| 結果 | 48 |
| 1日の変動幅(pips) | 364 |
| 2025/9/2 | |
| 予想値 | 49 |
| 結果 | 48.7 |
| 1日の変動幅(pips) | 191 |
直近1年のデータを確認すると、予想値と結果の乖離が大きい局面では、発表当日にドル円の値動きが拡大しやすい傾向が見られます。
一方で、結果がある程度市場に織り込まれている場合は、予想値と結果に差があっても値動きが限定的にとどまるケースもあります。そのため一概に判断はできませんが、ISM発表日はボラティリティが高まりやすい局面として、あらかじめ警戒しておくのが妥当といえるでしょう。
市場が結果を織り込んでいる状態とは、経済指標の発表前に、市場参加者の多くが「この程度の数字になるだろう」と想定し、その見通しを前提に売買を進めている状況を指します。このような場合、実際の結果が予想と大きく変わらなければ、新たな材料として受け止められにくく、発表後の値動きは限定的になりやすくなります。
次に、ISMサービス業景気指数のデータを確認します。ISMでは製造業景気指数に注目が集まりやすい傾向がありますが、米国経済においてはサービス分野の比重が高く、為替市場への影響も無視できません。
以下は、ISMサービス業景気指数の過去の予想値と結果に加え、発表当日におけるドル円の1日の変動幅を整理したものです。製造業景気指数とあわせて比較することで、ISM指標全体に対する相場の反応をより立体的に捉えられます。
ISMサービス業景気指数の過去結果とドル円の変動
| 発表日 | 予想値 | 結果 | 1日の変動幅(pips) |
|---|---|---|---|
| 2024/9/5 | 51.3 | 51.5 | 140 |
| 2024/10/3 | 51.7 | 54.9 | 96 |
| 2024/11/5 | 53.8 | 56 | 124 |
| 2024/12/4 | 55.5 | 52.1 | 172 |
|---|---|---|---|
| 2025/1/7 | 53.5 | 54.1 | 107 |
| 2025/2/5 | 54.2 | 52.8 | 236 |
| 2025/3/5 | 52.5 | 53.5 | 181 |
| 2025/4/3 | 53 | 50.8 | 409 |
| 2025/5/5 | 50.2 | 51.6 | 155 |
| 2025/6/4 | 52 | 49.9 | 180 |
| 2025/7/3 | 50.8 | 50.8 | 181 |
| 2025/8/5 | 51.5 | 50.1 | 123 |
| 2024/9/5 | |
|---|---|
| 予想値 | 51.3 |
| 結果 | 51.5 |
| 1日の変動幅(pips) | 140 |
| 2024/10/3 | |
|---|---|
| 予想値 | 51.7 |
| 結果 | 54.9 |
| 1日の変動幅(pips) | 96 |
| 2024/11/5 | |
| 予想値 | 53.8 |
| 結果 | 56 |
| 1日の変動幅(pips) | 124 |
| 2024/12/4 | |
| 予想値 | 55.5 |
| 結果 | 52.1 |
| 1日の変動幅(pips) | 172 |
| 2025/1/7 | |
| 予想値 | 53.5 |
| 結果 | 54.1 |
| 1日の変動幅(pips) | 107 |
| 2025/2/5 | |
| 予想値 | 54.2 |
| 結果 | 52.8 |
| 1日の変動幅(pips) | 236 |
| 2025/3/5 | |
| 予想値 | 52.5 |
| 結果 | 53.5 |
| 1日の変動幅(pips) | 181 |
| 2025/4/3 | |
| 予想値 | 53 |
| 結果 | 50.8 |
| 1日の変動幅(pips) | 409 |
| 2025/5/5 | |
| 予想値 | 50.2 |
| 結果 | 51.6 |
| 1日の変動幅(pips) | 155 |
| 2025/6/4 | |
| 予想値 | 52 |
| 結果 | 49.9 |
| 1日の変動幅(pips) | 180 |
| 2025/7/3 | |
| 予想値 | 50.8 |
| 結果 | 50.8 |
| 1日の変動幅(pips) | 181 |
| 2025/8/5 | |
| 予想値 | 51.5 |
| 結果 | 50.1 |
| 1日の変動幅(pips) | 123 |
過去1年分のISMサービス業景気指数では、予想値と結果の乖離が大きくなった場合、製造業景気指数の発表時と比べて値動きが拡大しやすい傾向があります。特に、製造業景気指数の発表後に相場が落ち着いていた場合でも、その後のサービス業景気指数でサプライズが出ると、ドル円の値動きが一気に強まるケースが見られます。
そのため、サービス業景気指数の発表に備える際は、直前に発表された製造業景気指数の結果と、それに対する市場の反応を確認しておくことで、発表後の値動きをより具体的にイメージしやすくなります。
米ISMはアメリカ経済の先行きを判断する上で重要な材料として扱われ、結果次第で為替市場が反応することがあります。特に事前予想との差が大きい場合は、市場が新しい情報を織り込む過程で値動きが速くなる傾向があるので注意が必要です。
米ISMの影響度を考える際は、発表値と予想値の比較が判断材料となり、一般的には次の3つのパターンに分類できます。
各パターンの為替相場の動きの傾向をそれぞれ解説します。
米ISMの結果が予想を上回ると、アメリカの景気が市場の想定以上に好調であると示唆されます。景気好調は物価上昇(インフレ)を招きやすく、FRBの利上げ観測が高まるため、為替はドル高に動きやすくなります。
予想より良好な結果
ISMの結果が予想より良ければ、市場参加者はポジティブな反応をしやすい
景気過熱が利上げムードへ
景気の過熱は物価上昇を招き、FRBの利上げ観測につながる
ドル高が進行
利上げによる高い金利を求めて投資家がドルを買う動きが活発化
発表直後の値動きは、予想値と結果の「乖離」が大きいほど激しくなる傾向があります。結果次第ではドル円(USDJPY)で1円以上変動することもあるため、数値の差にも注目です。このドル高傾向は翌日以降も続くケースが多く、たとえ発表前が下降トレンドであっても、ISMの結果が強ければ瞬時に上昇トレンドへ転換することもあります。予想を上回った場合は、強いドル高相場を意識してトレード戦略を組み直すことが重要です。
米ISMの結果が予想を下回った場合、アメリカ経済が市場の想定以上に後退していることを示唆します。景気後退が意識されると、FRBが景気を支えるために利下げに転じる可能性(利下げ観測)が高まるため、為替はドル安方向に動きやすくなります。
予想より悪い結果
ISMの結果が予想より悪ければ、市場参加者はネガティブな反応をしやすい
景気後退が利下げムードへ
景気の後退は物価の低迷を招き、FRBの利下げ観測につながる
ドル安が進行
利下げによる低い金利を嫌気した投資家がドルを売って他の資産に換える動きが活発化
ISMは、購買担当者へのアンケートに基づいた「景況感」を示す数値です。結果が悪いということは、経済の現場で「景気が悪い」と実感している人が多いことを意味し、今後、本格的にアメリカ経済が後退する可能性を示唆します。
特にISMサービス業景気指数が予想より悪い場合、ドル売りの勢いが強まる傾向があります。なぜなら、アメリカはGDPの約7割が個人消費であり、サービス業の景況感悪化は、アメリカ経済全体の景気後退を強く示唆するからです。予想値と結果の乖離が大きいほど、ドル安の勢いは強く、下降トレンドが形成されやすくなります。
米ISMの結果が予想値と一致した場合、市場はその結果をある程度織り込んでいるため、大きな値動きに繋がりにくい傾向があります。ISM発表直後に短期的な上下が見られても、そのまま新たな方向性が生まれるケースは多くないでしょう。
また、発表内容が予想通りであれば、市場の関心は次に控える主要指標へ移りやすくなります。米ISMは月初に公表されるため、その後に発表される重要指標(例えば雇用統計など)が予想と乖離した場合、そちらが相場材料として優先される場面もあります。
米ISMの発表内容によって、為替相場は大きく変動する可能性があります。米ドル(USD)はもちろん、結果次第ではドルストレート以外の通貨ペアや、NYダウやゴールドなど通貨以外の銘柄も激しく乱高下します。
相場環境が大きく変動することを想定して、あえて米ISMの発表直後にトレードを始める投資家も少なくありません。戦略的に取り組めば、米ISMの発表による乱高下を活用して大きな利益を狙えます。米ISMを用いたトレードは順張りトレードと逆張りトレードで戦略が大きく変わります。それぞれのトレードに適した具体的な戦略を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
米ISMの結果による変動を順張りトレードで挑むなら、以下の3つのポイントを押さえてトレードしましょう。3つのポイントについて詳しく解説するので、米ISMを活用したトレード戦略に組み込んでください。
米ISMの発表前には市場予想に加えて、シカゴPMIなどの先行指標も公表されているため、これらを確認しておくと、相場がどの方向を意識しやすいかを整理できます。例えば先行指標であるシカゴPMIが強ければ景気の底堅さが意識され、米ISMが強い結果だった際にドル買い方向への反応がでやすくなる可能性があります。
反対に先行指標が弱い場合は景気の鈍さが意識され、米ISMも下振れするとドル売り方向への反応がでやすくなるでしょう。こうした事前の材料を意識することで、米ISM発表直後に相場がどんな流れを取りやすいのか、予想しやすくなります。
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米ISM発表直後のような急変動時には、1時間足などでは捉えきれない細かい値動きが発生します。そのため、一時的に1分足や5分足などの短期足に切り替えることで、エントリーの目安となる押し目や戻り目を探りやすくなる場合があります。
一方で、短期足は値動きが乱高下しやすく、ダマシに終わるケースも少なくありません。短期足の動きを過信しすぎず、ISMの結果や他の経済指標、市場全体のトレンドも含めた総合的な判断が求められます。
米ISMの結果を受けてトレードする場合、数秒から数分で取引を終えるスキャルピングも選択肢の一つです。発表直後は相場のボラティリティ(変動率)が急激に高まる傾向があります。この環境下では、長時間ポジションを保有しなくても、満足のいく利益を積み上げられる可能性があります。
一方で、発表直後は上下に激しく乱高下する場面もしばしば見られる点に注意が必要です。方向感が定まる前にポジションを持つと、思わぬ反転に巻き込まれるリスクもあります。相場の方向性がわかるまでは欲張らずにこまめに利益を確定させる戦略で臨んだほうが良いかもしれません。
なお、XMTrading(エックスエム)では、リクオートや約定拒否なしで100%の注文執行を実現しており、さらに全注文の99.35%を1秒未満で執行する約定力の高い取引環境を提供しています。雇用統計発表時の神経質な相場では、約定力の高さによって損失リスクが大きく変わってくるので、特にスキャルピングなどの短期取引を主体に考えている人にとっては重要な取引条件です。スリッページや約定遅延のリスクをできるだけ回避したい人には、XMの取引環境がおすすめです。
逆張りトレードは、順張りトレードとはエントリータイミングが異なるため、ポイントも異なります。米ISMを逆張りトレードで挑むなら、次の3つのポイントを押さえて挑みましょう。逆張りトレードで利益を出すためのポイントを解説します。
米ISMが発表されると、結果の内容によっては相場が一時的に一方向へ大きく動くことがあります。こうした局面では、短期的な値動きに引っ張られやすく、反転のタイミングを見極めるのは容易ではありません。
反転が起きやすい価格帯を分析するうえで意識されるのが、レジスタンスライン(上値抵抗線)やサポートライン(下値支持線)と呼ばれる水準です。為替相場では、過去に売買が集中した価格帯が意識されやすく、強い材料が出た後でも、こうした水準付近でいったん値動きが落ち着くケースが見られます。
ただし、ISMの結果が市場予想から大きく乖離した場合、1分足や5分足といった短期足で形成されたレジスタンスラインやサポートラインは、勢いによって簡単に突破されることがあります。そのため、短期足だけを基準に反転ポイントを探すのは難しくなりがちです。
短期足のレジサポ
短期足で形成されたレジスタンスラインやサポートラインは、経済指標発表時の強い値動きによって、機能しにくくなる場合があります。
中・長期足のレジサポ
中期足(1時間足・4時間足など)で形成されたレジスタンスラインやサポートラインは、市場参加者に意識されやすく、相対的に注目される水準とされています。
そのため、ISM発表前の段階で中期足ベースの重要な価格帯を確認しておくことで、発表後の値動きに対しても冷静に状況を判断しやすくなります。
米ISMを逆張りトレードで挑む場合、一時的に値動きの勢いが止まるまで待つ必要があります。狙うべき価格帯は中~長期足のレジサポライン付近ですが、実際のエントリーは、価格が反転するシグナルを確認してからにしましょう。
価格がレジスタンスラインやサポートラインに到達すると、ローソク足が以下のような反転を示す形状を作ることがあります。
反転を示すローソク足のパターン
| 形状 | 特徴 |
|---|---|
| V字・逆V字 |
|
| ダブルトップ・ダブルボトム |
|
| トリプルトップ・トリプルボトム |
|
| 三尊天井(逆三尊) |
|
| ラウンドトップ・ラウンドボトム |
|
上記のいずれかの形状が表示されたら、値動き反転のシグナルのため、形状を確認してから逆張りトレードを始めれば、勝率の高い取引が可能です。
値動き反転のシグナルを使って逆張りトレードをする場合、短期足でシグナルを確認しましょう。本来、中~長期足のレジサポライン付近では、しばらくもみ合いが発生してから反転します。しかし、米ISM発表直後は相場が荒れており、反転地点に到達してから実際に反転するまでの時間が非常に速いです。そのため、短期足で上記シグナルが発生した場合でも、そのまま値動きが反転する可能性が高く、短期足でのシグナル確認が有効となります。
米ISM発表後に逆張りトレードをする際は、5分足や15分足のローソク足1本分を目安に、早めに利益を確定させたほうが良いかもしれません。なぜなら、米ISMの結果を受けて強いトレンドを形成することがあるため、一時的な反発を狙う場合、すぐにトレンドが発生して利益を得られないこともあるからです。
例えば、ISMの発表直前まで上昇トレンドで、発表後に反落が起きても、ほとんど下落せずに上昇トレンドに回帰することは珍しくありません。したがって、逆張りで挑む際は、大きな利益を期待して深追いせず、短い保有期間で手堅く利益を残す方針のほうが良い結果が生まれる可能性があります。
米ISMの発表は、為替相場の値動きに大きな影響を及ぼすこともあります。指標発表による相場の変動は従来の動きとは異なる特徴を持っているため、普段のトレードとは異なる注意点があります。特に次の5つの注意点を理解することで、米ISMを利用したトレードで不要な取引を減らせるので、不要な損切りを避けやすくなります。
ここでは、米ISMを活用する時に覚えておくべき注意点について解説します。
ISM発表直後は、注文が殺到するため、スプレッドの拡大とスリッページの発生に注意が必要です。まず、急増した注文をさばききれなくなると市場の流動性(流通量)が不安定になり、スプレッドが通常より広がります。
スプレッドとは、通貨を売買時に発生する買値と売値の差のことで、取引コストにあたります。スプレッドは、流動性が高く値動きが安定しているときは狭くなりやすいですが、早朝や経済指標の発表直後など流動性が低下したり注文が偏ったりする場面ではスプレッドの拡大が起きやすくなります。
また、ISM発表直後は、注文処理が行われるわずかな時間も価格が激しく変動し続けることがあるため、注文した瞬間の価格と実際に約定する価格にズレが生じるスリッページが頻発しやすくなります。これら取引コストの増加によって、利益を出すために必要な値幅(損益分岐点)が通常時とは異なることを理解して、トレードに臨みましょう。
XM スプレッドの詳細はこちら米ISMの結果は、事前の予想や各種の先行指標によって市場の見方がある程度形成されます。そのため、発表後の値動きには一定の傾向が出ることがあります。ただし、状況によっては米ISMの結果がどう受け止められるのか判断しづらい場面もあり、そのようなケースでは無理に取引する必要はありません。
経済指標を活用したトレードは、数値の意味や背景を理解できているほど、落ち着いて判断しやすくなります。一方で、分析に自信がない状態で米ISM直後の動きに飛びつくと、急変動やダマシに巻き込まれ、思わぬ損失につながるリスクがあります。
また、結果の解釈が定まらないまま取引してしまうと、根拠のないエントリーになりやすく、安定した運用からは離れてしまいます。米ISMの発表が相場にどう影響しそうか判断できない場合は、方向感が出るまで様子を見る方が堅実です。焦らず、相場の流れが明確になってから取引した方が安全性を高められます。
相場の値動きを事前に正確に予想・予測することはできません。そのため、経済指標を材料に取引を行う場合は、「どちらに動くかを当てること」よりも、「起こり得る値動きを想定し、それぞれの場合にどう対応するかを決めておくこと」が重要になります。
エントリー前に想定を整理しておくことで、相場が想定と異なる動きを見せた場合でも、判断に迷いにくくなり、不要なリスクを取りにくくなります。
トレードをする前に考えておくべきシナリオの項目の一例を以下にまとめました。
最低でも上記の内容を明確にしてからトレードで挑むことで、自身にとって適切なリスクで取引できます。米ISMのように乱高下が激しい相場環境で取引するこそ、明確なシナリオを立てて取り組みましょう。
米ISMは結果が発表されると、為替相場は大きく乱高下する可能性があります。この時ポジションを保有していると、指数発表による変動に巻き込まれて大きな損失を出すリスクがあります。もし、米ISM発表日にトレードをするのなら、発表される前に決済してポジション整理しておくことも視野に入れておきましょう。
為替レートへの影響が大きい経済指標では、発表内容によって相場環境が一変することも珍しくありません。例えば、米ISM発表前はドル円(USDJPY)が上昇基調にあったとしても、結果が市場予想を大きく下回れば、相場が反転し、下落トレンドへ移行するケースもあります。
このような局面では、発表前の分析に基づいて保有していたポジションであっても、速やかな損切りや撤退の判断が求められます。大きな経済指標を迎える際には、事前にポジションを軽くしておく、あるいは一度手仕舞うといった対応も、リスク管理の一つとして検討しておきましょう。
相場の急変動に備える方法の一つとして、同一通貨ペアでロングとショートを同時に保有する「両建て」という考え方もあります。値動きを一時的に固定できるため、ポジション整理の選択肢として挙げられることがあります。ただし、両建ては判断や管理が難しく、初心者向けの手法とは言えません。意図せずコストが増えたり、解除のタイミングを誤ったりするリスクもあります。
また、複数口座を利用した両建ては、FX業者の取引規約に違反するケースがあります。裁定取引とみなされる可能性があるため、利用する場合は必ず取引条件を事前に確認してください。
XM 禁止事項の詳細はこちら利益が出た直後や、損切りが続いたあとは、気持ちが高ぶったり焦ったりしやすく、冷静な判断が難しくなります。こうした状態で次のトレードに臨むと、普段なら取らないようなリスクを許容してしまうことがあります。
特に、経済指標発表後の相場は値動きが荒くなりやすく、感情が判断に影響しやすい場面です。そのため、想定したシナリオを一度消化できたと感じた場合や、ルール通りに損切りが続いた場合には、あえて一度チャートから離れる判断も有効です。感情が動いていると感じた時ほど取引を控え、次のチャンスに備えることが、結果的に安定したトレードにつながります。
米ISMは米国の景況感を示す代表的な経済指標で、結果が市場予想と乖離した場合は短時間で相場が大きく動くことがあります。一方で、指標発表前後はスプレッド拡大や急変動が起きやすく、取引コストや約定面のリスクも高まりやすい局面です。
そのため米ISMを材料に取引する際は、数値の良し悪しだけで飛びつかず、事前に想定を整理し、見送りも含めて対応を決めておくことが重要です。利益が出た直後の追いトレードや、損切りが続いたあとの感情的な取引は判断を鈍らせやすいため、特に注意しましょう。
また、重要指標の局面では取引環境も結果に影響します。XMTrading(エックスエム)はリクオートなしの取引環境と高い約定力を提供しており、相場が急変しやすい局面でもスムーズな執行を目指せる体制を整えています。米ISMのような重要指標に備える際は、取引手法だけでなく取引環境も含めて検討することが大切です。
作成日
:
2025.12.16
最終更新
:
2025.12.23
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1時間で2,000USD以上の変動があった時(急騰・急落)に通知。その後、同条件での急変動通知は4時間停止します。