テーパリング

テーパリング

読み方、同義語、対義語

読み方 てーぱりんぐ

テーパリングとは、景気後退期に各国の中央銀行が実施する金融緩和を、徐々に縮小していく政策・オペレーションのことです。「徐々に減らす」という意味の英語の「taper」が基になっています。

中央銀行は、景気後退期には景気を下支えするために金融緩和を実施します。具体的には、金融資産を購入し、それによって金融資産市場を安定化させるのと同時に、通貨の供給量を増やします。これによって景気後退の影響が緩和され、景気が回復するのを促進します。その後景気が上向いて下支えが不要になったら、今度は金融緩和を縮小しなければインフレになってしまいます。しかし急激に縮小してしまうと市場や経済へのショックが大きくなるため、それを少しずつ行うのがテーパリングです。

2020年に発生した新型コロナウイルスによる世界的な景気後退の影響から、日本を含む世界各国が経済を支えるために大規模な金融緩和を行っています。日本では日本銀行が上場投資信託(ETF)を大規模購入していることはよく知られています。しかし、これも永久に続けるわけにはいかず、いつかはテーパリングに向かうことになります。

テーパリングが発表もしくは観測されると、市場には金融引き締めのムードが流れ、株安などリスクオフの流れが起きやすくなります。為替市場ではリスクオフ通貨が買われやすくなるため、円高が起きやすくなるというのがセオリーです。

point コロナショックを受けた金融緩和の出口戦略

コロナショックによって、世界経済には史上稀に見るダメージが発生しており、各国の中央銀行は金融緩和に躍起です。しかしこの副作用として、空前の株高や仮想通貨(暗号資産)の急騰などが起きており、必ずしも金融緩和が健全に機能しているとはいえない状況もあります。ここまで大規模な金融緩和が行われると、テーパリングによってバブル崩壊のような暴落相場が現実になる恐れもあるため、出口戦略であるテーパリングに対して警戒感を持ちながら注視する必要があります。

免責事項:Disclaimer

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。