地政学リスク

地政学リスク

読み方、同義語、対義語

読み方 ちせいがくりすく

地政学リスクとは、ある特定の地域が抱える地理学的・政治学的なリスク要因のことです。地理的な位置関係による政治的、軍事的、社会的な摩擦や緊張の高まりが、その地域ひいては世界経済に与える悪影響を指します。

狭義には戦争・紛争・内戦といった武力衝突、核開発、テロなどが含まれ、広義には政治、貿易、外交、ナショナリズム、デモなどが含まれます。世界にはあらゆる問題があり、それらのリスク要因はグローバル経済と密接な関係を持つため、さまざまな市場や投資判断に大きな影響を及ぼします。

knowledge FRB議長が広めた言葉?

地政学リスクという言葉は、アラン・グリーンスパンFRB議長が2002年9月の公聴会で用いたことから一般化したと言われています。その時期は、米国同時多発テロからの1年後であり、米国とイラクとの緊張の高まり、日朝首脳会談などがあるという背景でした。この言葉を世界のメディアが使用するようになり、世に定着していきました。

近年では、新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響や米中問題、米国の政権交代、東南アジアでのデモ、新興国の債務問題、貿易とテクノロジーを巡る摩擦など、多岐にわたるリスクが警戒されています。

金融相場は、地政学リスクに振り回されることがしばしばあります。そうした有事には、安全資産とされる円や金(ゴールド)が買われる傾向があります。その理由の一つは流動性(リクイディティ)の高さで、リスク発生時には一時避難的にこれらへ待避し、リスクが後退した際に資金を巻き戻しやすいからです。「有事の円買い」は、つまり円高を意味するので、クロス円の買いをする人にとっては注意すべき相場の動きだといえます。

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