2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
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サイドチェーンとは、仮想通貨(暗号資産)のブロックチェーンにおける側鎖のことであり、ブロックチェーンの機能を拡張することを目的として開発された技術です。サイドチェーンに新たな技術を組み込むことで仮想通貨に新機能を持たせることができるほか、ブロックの承認時間の短縮による送金時間短縮や送金手数料削減というメリットがあります。
サイドチェーンは元々、ビットコイン(BTC)の機能を拡張するために開発されました。ビットコインには他の仮想通貨と比べて送金時間が長く(10分以上)、イーサリアム(ETH)などが備えるスマートコントラクトの機能がないなど、機能面で劣るデメリットがありました。既存のビットコインブロックチェーンでは、送金時間の短縮や新機能の追加が難しいことから、既存のブロックチェーンではなく新たに側鎖としてブロックチェーンを追加するサイドチェーンが解決策として考案されたのです。
サイドチェーンは仮想通貨に新たな機能を追加できるだけではなく、それぞれ独自に稼働するブロックチェーンを相互に結ぶこと(クロスチェーン)ができます。通常、互換性が無いブロックチェーン同士は直接結ばれることがないため、自由に仮想通貨の移動を行うことができません。例えば、ビットコインとイーサリアムのブロックチェーンは独自で稼働をしているので直接取引を行うことができません。しかし、サイドチェーンを導入することによってビットコインとイーサリアムのブロックチェーンを相互に結ぶことができ、仮想通貨を自由に移動することが可能となります。
サイドチェーンには、仮想通貨の機能拡張や送金時間の短縮の他にも、セキュリティを向上させ、独自仮想通貨が発行できるといった特徴もあります。
ハッキングによってブロックチェーンの書き換えなどの攻撃が発生した場合、仮想通貨は大規模な被害を受けてしまう恐れがあります。しかし、サイドチェーンを採用していることで、サイドチェーン側が攻撃をされた場合にはサイドチェーンを切り離すことでハッキングによる被害を最小限に抑えることができるのです。
サイドチェーン上では独自に仮想通貨を発行することも可能です。新たに発行した仮想通貨と従来の仮想通貨は双方向ペグの状態であり、サイドチェーンとブロックチェーン上を自由に移動や取引をさせることができます。
仮想通貨に新たな機能を追加し、送金速度を向上させることができるサイドチェーンですが、マイニングの観点から見ると問題点があります。サイドチェーンでもブロックの承認を行うためにマイニングが必要となりますが、それぞれのブロックチェーンでマイニングが行われるため、ハッシュレートに偏りが生じる可能性があり、セキュリティ面でのリスクとなります。その対応策として両方のブロックチェーンでマイニングが行えるマージマイニングの導入が必要となるとされています。しかし、結果的にサイドチェーン側でのマイニングも発生するため全体のマイニング量が増え、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)の場合には必要となる計算量や電力が増加してしまう問題があります。さらにPoWは仕組み上、高速で計算が行えるパワーがあるマイナーが優先的にマイニングが行えるため、サイドチェーン追加によってさらに集中化が進む懸念もあります。
作成日
:
2021.07.30
最終更新
:
2024.11.21
著者情報
斎藤 陽介 | Yosuke Saito
FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
監修者情報
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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