変動相場制

変動相場制

読み方、同義語、対義語

読み方 へんどうそうばせい
対義語 固定相場制

変動相場制とは、為替レートを外国為替市場における取引で決める制度をいいます。対義語は「固定相場制」で、国家が為替レートを決定します。FX取引で扱われている通貨は基本的に変動相場制をとっている通貨となります。

歴史的には、第二次世界大戦後、金と交換できる米ドルを唯一の国際通貨とし、他国の通貨は米ドルとの交換比率が固定されていました。しかし米ドルの価値が下落していき、1971年の金ドル交換停止を経て、日本を含む主要国は相次いで変動相場制に切り替えていきました。各国の通貨は米ドル、ひいてはその価値を保証していた金の裏付けをなくし、市場の需給関係で為替レートが決められることとなったのです。

変動相場制は、各国の実体経済の強弱がリアルタイムに為替レートに反映されながらも、金融政策や為替介入による調整の余地もある柔軟な仕組みであるという点でメリットがあります。その一方で、投機マネーによるかく乱が生じた際などに、為替レートが急激に変動するというデメリットがあります。

FX会社には人民元(CNH:オフショア人民元)を取り扱うところもがありますが、中国は変動相場制でなく「管理変動相場制」を採用しています。中国の中央銀行にあたる人民銀行が当日の基準レートを公表し、基準レートから一定範囲内の変動に抑えることで通貨当局がコントロールを行うため、政府の意向に注意を払う必要があります。

knowledge 変動相場制に移行した「プラザ合意」

変動相場制は、為替市場の需給で為替レートが決まる仕組みですが、国際金融秩序を守るための介入が大規模に行われ、人為的なレート調整が行われたことがあります。1985年、ニューヨークのプラザホテルで、高インフレとその沈静化を経て不安定になった米ドルの価値を調整するため、米・日・英・仏・独の通貨当局が協調して米ドル安を誘導するという発表を行いました。これが有名な「プラザ合意」です。その1年後には、米ドル円相場は235円から150円台まで円高が進みました。

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