2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
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ADXとは、トレンドの強弱を示すテクニカル指標です。「Average Directional Movement Index」の略称で、日本語では平均方向性指数と呼ばれます。上昇トレンドか下降トレンドかに関わりなく、トレンドが強くなれば数値が増加し、弱くなれば減少します。ADX、DMI(+DI、-DI)という3本の線が表示され、ADXが平均の方向性を、+DIと-DIがそれぞれ上昇と下降の方向性を表します。
チャートソフトによって、ADX、DMI、ADX DMIといったように呼び方が異なります。
一般的に、ADXが20を下回っているときはトレンドが弱く、逆に40を超えている場合はトレンドが強いと判断されます。さらに、40を上回って50を超えているような場合は、より強いトレンドが発生していると見なされます。
ADXの計算は、やや複雑です。日足で説明すると、まず、当日と前日のローソク足の情報から+DM、-DM、TRと呼ばれる数値を求めます。+DMが上昇の強さ、-DMが下降の強さ、TRが値幅を示します。それらを使って、+DIと-DIを算出します。+DIが上昇の強さを値幅で割った数値、-DIが下降の強さを値幅で割った数値です。このように計算されるため、+DIは上昇のみの方向性、-DIは下降のみの方向性を示すのです。
要素 | 計算方法 |
---|---|
+DM(上昇の強さ) | 当日高値-前日高値(+DM<0なら+DM=0、-DM>+DMなら+DM=0) |
-DM(下降の強さ) | 前日安値-当日安値(-DM<0なら-DM=0、+DM>-DMなら-DM=0) |
TR(真の値幅) | 「当日高値-前日終値」「当日高値-当日安値」「前日終値-当日安値」の中で最大値幅のもの |
+DI(上昇方向性) | (n日間の+DMの合計)÷(n日間のTRの合計)×100 |
-DI(下降方向性) | (n日間の-DMの合計)÷(n日間のTRの合計)× 100 |
ここから、+DIから-DIを引いた値の絶対値を+DIと-DIの合計で割ってDXを求めます。このDXのn日間の平均がADXとなり、平均の方向性を示します。
DX =
|(+DI)-(-DI)| ÷{(+DI)+(-DI)}× 100
ADX =
DXのn日平均
ADXは、+DIから-DIを引いた値の絶対値で計算するため、上昇の強さなのか下降の強さなのかに関わりなく、トレンドが強ければ数値が大きくなります。ADXが上昇しているときはトレンドが強いことが示唆され、逆にADXが下降しているときはトレンドが弱まっていることが示唆されます。また、+DIが上昇しているときは上昇トレンド、-DIが上昇しているときは下降トレンドと判断できます。
+DIと-DIが交差するポイントに注目すると、トレンドの転換を察知することができます。+DIは買い手の強さを示しているため、例えば+DIが-DIを下から上抜けすると上昇トレンドへの転換と判断され、そのときにADX線が上昇しているようであればトレンドの傾向がより強まっていると考えられます。逆に-DIが+DIを下から上抜けし、かつADX線が上昇している場合は、強い下降トレンドが始まりつつあることの示唆と考えられます。
作成日
:
2021.05.27
最終更新
:
2024.11.20
著者情報
斎藤 陽介 | Yosuke Saito
FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年
2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。
監修者情報
山田 大護 | Daigo Yamada
弁護士:専門分野(企業法務・金融法務)
短期が中心のトレーダーや中長期が中心のトレーダー、元プロップトレーダー、インジケーターやEAの自作を行うエンジニアなどが在籍。資金を溶かした失敗や専業トレーダーに転身した経験など、実体験も踏まえてコンテンツを制作している。
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