中国株サマリー（29日）

続伸、総じてプラス圏でもみ合い　資金流入期待などが支え

　29日の中国本土株式市場で、上海総合指数は続伸。終値は前日比0.37％高の3857.93ポイントだった。深セン成分指数は0.99％高の12696.15ポイント。上海、深セン両市場の売買代金は概算で2兆7982億9700万元だった。

　上海総合指数は小安く寄り付いたものの、ほどなくして切り返すと、その後は総じてプラス圏でもみ合った。中国政府の政策支援に対する根強い期待に加え、人民元高を背景に海外からの資金流入が続くとの観測が買いを支えた。中国人民銀行（中央銀行）が設定した29日の人民元相場の基準値は1米ドル＝7.1030元と3日続伸し、2024年11月6日以来の高値を連日で更新した。もっとも、相場が10年ぶりの高値圏で推移しているとあって、上値の重さが目立ち、わずかながら前日終値を割り込む場面もあった。

　セクター別では、保険が全面高。バッテリー、バッテリー素材、酒造、貴金属が高い。半面、半導体、教育、通信サービス、ソフトウエア開発などが売られた。

　A株市場では、車載電池メーカーの国軒高科（002074）、電子設備メーカーの富士康工業互聯網（601138）がストップ高を付けたほか、音響機器・電子部品メーカーの歌爾（002241）、自動車・電池メーカーのBYD（002594）、保険会社の新華人寿保険（601336）、製薬の江蘇恒瑞医薬（600276）なども上昇が目立った。半面、宅配便大手の順豊控股（002352）、半導体製造装置メーカーの北方華創科技集団（002371）、スーパーコンピューターメーカーの曙光信息産業（603019）、家電メーカーの珠海格力電器（000651）などが大きく売られた。

　上海B株指数は0.55％高の265.88ポイント、深センB株指数は0.34％高の1327.74ポイントだった。

(山下)