ニューヨーク外国為替市場概況・24時　ドル円、急落

　22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は急落。24時時点では146.85円と22時時点（148.70円）と比べて1円85銭程度のドル安水準だった。パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長は22日、ジャクソンホール会議での講演で「労働市場の安定により、政策を慎重に進めることができる」「関税は長期的なインフレを誘発する可能性がある」「インフレリスクは上昇傾向、雇用は下振れ傾向」と述べた一方、「政策が引き締め的な領域にあるためリスクバランスの変化が政策調整を正当化する可能性がある」との見解を示した。市場では「想定よりもハト派的な内容だった」との受け止めから、ドル売り・債券買い（金利は低下）・株買いで反応。ドル円は24時過ぎに一時146.76円まで急落した。

　なお、シカゴ・マーカンタイル取引所（CME）グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、次回9月の米連邦公開市場委員会（FOMC）で0.25％の利下げを予想する確率は前日の75.0％から91.5％まで上昇し、据え置きの確率は25.0％から8.5％に低下した。

　ユーロドルは大幅高。24時時点では1.1718ドルと22時時点（1.1609ドル）と比べて0.0109ドル程度のユーロ高水準だった。パウエルFRB議長の発言をきっかけに全般ドル売りが活発化すると、一時1.1720ドルまで値を上げた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時97.75まで低下した。

　ユーロ円は失速。24時時点では172.08円と22時時点（172.62円）と比べて54銭程度のユーロ安水準。22時過ぎに一時172.68円と日通し高値を付けたものの、ドル円の急落をきっかけに円買い・ユーロ売りが広がると171.83円の本日安値まで一転下落した。

本日これまでの参考レンジ

ドル円：146.76円　-　148.78円

ユーロドル：1.1583ドル　-　1.1720ドル

ユーロ円：171.83円　-　172.68円

(中村)