分配金

読み方、同義語、対義語

読み方ぶんぱいきん

分配金とは、投資信託が保有する資産から、一部を現金化して投資家に向けて払い戻す金額のことです。投資信託を運用して得られた収益に基づいて投資家に還元するものであり、決算時に支払われるのが一般的です。

分配金の原資は投資信託の資産であるため、分配金を支払うと投資信託の資産はその分だけ減少します。それに伴い基準価額も下落することになります。例えば、基準価額が10,000円の投資信託が分配金1,000円を支払った場合、分配後の基準価額は9,000円となります。

分配金は、運用の成果や今後の運用戦略を考慮した上で、運用会社がその都度決定するため、決算期ごとに毎回支払われるとは限らず、金額も決まっていません。ただし、長期にわたり定期・定額の分配金を払い出す投資信託は少ない数ではなく、安定分配を期待して購入する投資家もいます。

投資信託の分配金には、「普通分配金」と「元本払戻金（特別分配金）」の二つがあります。普通分配金とは、投資信託の運用収益から支払われる分配金で、所得税・住民税・復興特別所得税がかかります。分配金を支払った後の基準価額は、受益者の個別元本と同額か、または上回っています。

元本払戻金（特別分配金）とは、分配金が支払われた際に基準価額が個別元本を下回る部分に相当する金額をいいます。個別元本を下回っている部分の分配金は、受益者にとっては投資した金額かそれ以下になった資金の一部が払い戻されているに過ぎず、利益が出ているわけではないため税金はかかりません。

分配金は配当とは異なる

分配金が確実・頻回に支払われる投資信託が、投資家にとって有利な投資信託とは限りません。分配金は投資信託が保有する資産を払い戻しているに過ぎず、企業が株主に支払う配当のように、経営の健全性や将来の業績への自信などを示すものではないからです。長期投資家にとっては税金が発生したり、事務コストがかかったりと、必ずしも歓迎できるわけではないものといえます。

著者情報

斎藤陽介 | Yosuke Saito

FXトレーダー&金融情報WEBメディア制作経歴10年

2009年よりFXを始め、現在トレード歴11年目。
トレードの傍ら、金融情報WEBメディアの制作実務を10年間行う。
FXを中心に株・暗号資産などの金融ディリバティブ取引の記事の執筆を多く手がけ、FX攻略.com等専門メディアへの執筆の経歴あり。
FX関連では、ファンダメンタルズや手法に関する記事からFXのメンタル管理まで、幅広い記事の執筆・監修を行う。

免責事項：Disclaimer

当サイトの、各コンテンツに掲載の内容は、情報の提供のみを目的としており、投資に関する何らかの勧誘を意図するものではありません。
これらの情報は、当社が独自に収集し、可能な限り正確な情報を元に配信しておりますが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、当社は保証を行うものでも責任を持つものでもありません。投資にあたっての最終判断は、お客様ご自身でなさるようお願いいたします。

本コンテンツは、当社が独自に制作し当サイトに掲載しているものであり、掲載内容の一部または、全部の無断転用は禁止しております。掲載記事を二次利用する場合は、必ず当社までご連絡ください。